『内緒』を固く結べば、そこは…

「秘密」って、”幻想”というか、ふたりで描く”ファンタジー”だよなあ…って思う。わたしは。


この世界に、本当の意味で隠し通せることなんて、ある? 無いよね??

わたしは、無いと思うんだけど。


あらゆることがスケルトンのこの世界で、ふたりが固く・固く秘密を守りあうさまを、第三者がみてる。(中身自体はスケルトン。)


ふたりが秘密を守り合ったところで、中身を隠蔽することに対しては無意味でも。

その幻想・ファンタジー自体には意味がある、って、そう思えるな。わたしは。

「内緒」を固く結べば、そこはホーム(←→アウェイ)になる、って気がする。


ひとり抱える秘密は孤独。

なんか、そんな実感。


自分でいうのも嘘くさい感じだけど、わたし、結構、っていうか、貝のように口の堅い人間だと思う。

基本的に、噂話とかもしないし。

噂って、当事者に対する「攻撃」に近い性質のものだと思ってるから。


ただ、なんだろな……

わたし自身が望むレベルで、秘密を分かち合えるひとがいない人生だったんだろうな。

わたしのこれまでの人生って。


もちろん、こっちも口堅いし、これまでの人生でわたしに関わってくださった方々も、こちらから口外しないようお願いしたことについては、おそらく、秘密を守ってくださっていたと思う。

でもきっと、わたしが本当に求めているのは、もっと、もっと、、もっと、、、濃密で唯一無二の、秘密の共有だったんだろうなと思う。

魂や人生の一部を交し合うような。


そして、わたしが求めるくらいに重く濃いものをわたしに求め返してくれるようなひとは、これまでの人生には、いなかった。そんな感じ。


逆説的だけど、わたしはひとの、いわゆる「打ち明け話(カミングアウトとか)」を聞くの、あまり気が進まなかったりする。

相手が、自らの傷つきやすくやわらかい部分を晒すのならば、受け止めるこちら側にも、それなりに覚悟がいる。


わたしがそれを受け止めること、それ自体が相手にとって単純にベネフィットになればいいのだけど(たとえば「ただ傾聴してくれるだけで気持ちがラクになる」とか)、相手(経験的には、ほぼ女性)から「弱みのトレード」みたいなものを期待されることもあったりして……。

こちらはこちらで、自分のフラジャイルな部分を晒す相手はそれなりに選んでいたりするから、「じゃあ、次はあなたの番だよ」と押し売りの支払いみたいなのを求められたところで、何も滴ってこないこともある。


一方で。

誰かの何気ない、たったひとことで、永い間、深く閉ざされていた心のドアが突然、パコッ と開いて、自分の何もかもが露わになってしまうような……そういうことがあったりするのも現実で。


それはもう、相手との関係性とか相手への期待値とか、そういうものを超えたところで訪れる感じ。訪れてしまう感じ。


会ったことすらない、知らないひとが、まるで、わたしの心の鍵を握っていたかのような。不可思議でキモチイイ瞬間。

そんなとき、こちら側に、引き換えに相手の恥部を求めたりする気持ちはさらさらないけれども。

もちろん、もし相手が「受け止めてほしい」と、わたしを求めてくれるなら、あらん限りの力で受け止める努力をしたいと思う。


そこに、弱みのトレーディングを求められるときのような、気の重さなどは一切ない。

自分ひとりでは開けなかった扉を一瞬で開いてくれたそのひとのことを、全力で受け止めたいと、ただ思う。(あくまで、相手がわたしを求めてくれるなら、だけども。。。)


わたしが求めている関係性には、おそらく「中間」がない。

一蓮托生、身体さえ共有し合うかのような運命共同体。

さもなくば。

サラサラと淡く、流動性の高いふれあい。


なにはともあれ。

今はとにかく、とことん!のひとりを見つけたいって、切望してる。


相手のよろこびを我がよろこびとし、相手の不都合を我が不都合とし、魂や人生や痛みをも分かち合える、とことんがっぷり四つに組める伴侶。

その伴侶に、わたしが一番してほしくないこと。

それが、「わたし以外の誰かとの間に、わたしにはいえない秘密をつくられること」。

(もちろん、職務上の守秘義務とか、同好の士にしかわからない男のロマンとか、そういうのは仕方ないと思うけど……)


伴侶にとっての、「内緒」を固く結ぶ相手は、絶対に、わたしでありたいから。

わたしが、伴侶にとっての唯一無二の”ホーム”でありたいから。