磁力
前に住んでた家の近所に、車がスピードを落としてやっとすれ違えるくらいのかなり狭い道路が通ってたんだけど。
そういう広くない道路同士が重なってる十字路、その、交差点というのもはばかられるような小さな交差点に、四車線道路にもあるような立派な信号がなぜかついてて。
で。
雨が降ると、道路や道路わきの建物の壁に囲われた狭い空間が濡れてつやつやになって、そこに信号の強い光が反響して、
ミドリ
黄、
赤
の光の独断場になってた。
狭い路地
強い信号
雨
雨止み
闇
通りのない静けさ
が揃ったとき、みえる表情。
景色よりも表情に ぐいっ と、瞬間のattentionの過半をもっていかれることがある。
そういうとき、その磁力を言葉にして自分のなかに残しておきたいと、欲する。
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